iLo4 の機能や設定方法

1.iLo4 とは

iLo4(Integrated Lights-Out 4) とはHP ProLiantシリーズに搭載する管理用のボードです。機種により標準(デフォルト)で搭載されている機種、あるいは別途オプションとして追加する機種があります。
iLo4は本体サーバとは独立して機能します。本体の電源がオフの状態でもiLo4を使用することは可能です。(これは当然です。もし本体サーバと同時にiLo4の電源がオフになった場合、サーバのリモートパワーオンができなくなり管理の意味もなくなります。またサーバ本体のハードウェア故障が発生した場合、同時にiLo4の機能しなくなると、ハードウェア故障管理の機能も意味が無くなります。)

IBM機のブレードでは AMS、xSeries では RSA(リモート管理アダプタ) が該当します。

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2.iLo4 セットアップ

iLo4 セットアップは3通りの方法があります。

(1)RBSU (Rom Base Setup Utility 、ロム ベース セットアップ ユーティリティ )

BIOS ベースのツールです。サーバ起動時に[F8]を押すことにより設定ツールを起動することが可能です。サーバのBIOS起動時に以下の表示があります。

iOL4 Standard press [F8] to configure

[F8]を押してセットアップを起動します。

主な設定項目は以下のとおりです。
・ネットワークインターフェースの有効化/無効化。
・ネットワークスピード(1G,100M,10MやFULL,HALF)。デフォルトはDHCP設定です。
・IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ。
・ユーザの追加/削除/変更 (ここで設定するユーザはOS のユーザとは全く別物です。iOL4の世界のユーザです。OSからは認識されません。)
このユーザはブラウザからiOL4にログオンしサーバを操作する場合に使用します。

・ユーザは権限を付けることが可能です。

Administer User Accounts
Remote Console Access
Virtual Power and Resets
Virtual Media
Configure iLO Settings

その他設定事項は省略。

(2)ブラウザベースの管理

iE や Firefox 経由でのリモートからの管理です。RBSU では設定が可能でしたが、ブラウザベースでは設定以外にハードウェアのステータスを表示したり、ログを表示・ファイルへの保存などが可能です。また唯一ネットワーク経由でリモートからの管理が可能です。

ブラウザ管理では以下が可能です。
サーバステータスチェック
 FAN・・・ファンの状態
 Templature・・・サーバ本体の温度
 Power・・・電源の状態
 Processor・・・CPUの状態
 Memory・・・メモリの状態
 network・・・ネットワークの状態
 Storage・・・ストレージの状態
 Firmware・・・ファームウェア

iLo4 eventlog・・・iLo4のイベントログ。サーバ電源オンやiLo4ユーザ作成などの操作ログを表示します。
Integrated Management Log・・・サーバ構成品(電源やCPUなど)のH/Wレベルのログを表示します。
・Active Health System Log・・・H/W構成とH/Wログをファイル(バイナリ)としてダウンロードします。(ブラウザを実行しているPCに保管されます。)
 障害時にはこのファイルをサポートに送付します。

(*)Active Health System log(AHS log)とは
サーバのH/W構成及び動作ログを一つのファイルにまとめたバイナリファイル。iLo4のブラウザI/Fより作成、ダウンロードが可能。

Diagnostics・・・以下の機能が実行可能です。
(1)セフルテスト・・・自己診断プログラムを実行します。
(2)iLo4のリセット・・・iLo4をリセットします。サーバ本体はリセットされません。よってブラウザからのアクセスはリセットした時点で切断され、再度ログオンが必要となります。
(3)サーバのNMI・・・サーバ本体に NMI 割り込みを発生させます。(Windows Serverならブルースクリーン、Linux ならカーネルパニックとなります。)

・Locate Discovery Service・・・ (Advance Pack が必要)
・Insight Agent
・Remote Console ・・・ブラウザからサーバの画面を操作します。(追加ライセンスが必要)
・Virtual Media・・・ (追加ライセンスが必要)
・Remote Management
(1)Graceful Power Off・・・OSシャットダウンを実行します。
(2)Force Power Off ・・・電源オフします。(OSシャットダウン無いため、OS起動時はこのコマンドは実行しないでください。)
(3)Force System Reset・・・サーバを強制リセットします。OSハング時などに有効です。
(4)Force Power Cycles・・・コールドブートします。コールドブートとは完全にサーバの電源をオフした後に電源をオンします。
(一般的に、電源オフ状態から電源オンされた場合、ハードウェアのメモリチェックなどのチェック機能が実行されます)

・Power Meter ・・・Advance Packが必要。
・Power Settings ・・・Advance Packが必要。
・Network・・・iLo4のNW設定を行います。SNMP サーバとの時刻同期も可能。
・Remote Support
・Administration
(1)Firmware・・・ファームウェアのアップデートを行います。
(2)Licensing・・・ライセンスの投入を行います。
(3)User Administration・・・iLo4ユーザの管理を行います。
(4)Access Settings・・・iLo4のI/F設定を行います。
(5)Security ・・・SSL,SSO,LDAP,暗号化などの設定を行います。

・Management ・・・SNMP,AlertMail,syslogの設定を行います。
(1)SNMP・・・SNMPトラップ送信を行います。
(2)メール送信・・・障害時にメール送信します。ライセンスが必要です。
(3)Remote Syslog・・・障害時にログをリモートへsyslog転送を行います。ライセンスが必要です。

(注)
iLo4はパスワード誤りでログオンに失敗すると、その後10秒 間 ログオンを試すことはできません。再度失敗すると追加10秒で20秒 wait される。これはパスワードの辞書攻撃対応です。


(*) IE 6など古いブラウザでは動作中にブラウザがハングする場合があります。サポートされるブラウザを使用してください。

(3)Windows アプリケーションベースのツール

Windows アプリケーションベースのツールです。RBSUが使用できない(サーバを再起動できない)場合でかつパスワードが分からない場合などに使用が可能です。ただしWindows の administrators 権限が必要のようです。


3.iLo4 administratorのデフォルトパスワード

iLo4のデフォルトアカウントである administrator のパスワードはサーバごとにランダムで初期設定されています。本体にパスワードのシールが貼り付けられています。ただしBIOSなどから administrator パスワードの設定変更が可能です。この時デフォルトパスワードは不要です。

参考:HP iLO 4ユーザー ガイド - Hewlett-Packard

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