Windows 標準のコマンドツールである net コマンドを紹介します。あまり知られていませんが、意外と使えます。このコマンドは IBM OS/2 や Windows NT時代からある歴史の古い管理用のコマンドです。各コマンドの便利な使用方法を紹介します。(全てではありません。)
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ローカルのポリシーを参照して、アカウントの情報を表示します。一般的にローカルポリシーが参照されます。(ドメインコントローラで実行した場合は、ドメインのポリシーが表示されます。)
以下のような情報が表示されます。
C:\>net accounts 強制ログオフまでの時間 (分): しない パスワード変更禁止期間 (日数): 0 パスワード有効期間 (日数): 42 最小パスワード長: 0 使用できない旧パスワード数: なし ロックアウトしきい値: しない ロックアウト期間 (分): 30 ロックアウト監視ウィンドウ (分): 30 コンピューターの役割: WORKSTATION コマンドは正常に終了しました。
ドメインコントローラで使用するコマンドです。一般ユーザ向け PC では使われないコマンドとなります。
以下の例ではドメインにコンピュータを追加 / 削除します。
C:\>net computer \\001 /add C:\>net computer \\001 /delete
次のサービスが動作していたらconfig を見ることができます。
・net config Server
・net config Workstation
動作しているか確認するには以下のコマンドを実行します。
C:\>net start | findstr Workstation Workstation C:\>net start | findstr Server Server
以下は net config server の実行例です。
C:\>net config server サーバー名 \\PCNAME サーバー コメント ソフトウェア バージョン Windows 10 Enterprise Evaluation アクティブなネットワーク (サーバー) NetbiosSmb (PCNAME) NetBT_Tcpip_{********-****-****-****-************} (PCNAME) 隠しサーバー No 最大ユーザー数 20 各セッションのオープン ファイルの最大数 16384 アイドル セッション時間 (分) 15 コマンドは正常に終了しました。
以下は net config workstation の実行例です。
C:\>net config workstation コンピューター名 \\PCNAME フル コンピューター名 pcname ユーザー名 Administrator アクティブなネットワーク (ワークステーション) NetBT_Tcpip_{********-****-****-****-************} (************) ソフトウェア バージョン Windows 10 Enterprise Evaluation ワークステーション ドメイン WORKGROUP ログオン ドメイン PCNAME COM デバイス オープン タイムアウト (秒) 0 COM デバイス送信バイト数 (バイト) 16 COM デバイス送信タイムアウト (ミリ秒) 250 コマンドは正常に終了しました。
一時停止したサービスを再開します。ただし一時停止をサポートしたサービスはあまりありません。(workstation サービスなどの一部)
具体的にはサービスコントロールマネージャーから サービスへ SERVICE_CONTROL_CONTINUE(0x00000003) が送信されます。
以下の例では workstation サービスを一時停止した後 net continue で再開しています。
C:\>net pause workstation Workstation サービスは正常に一時停止されました。 C:\>net continue workstation Workstation サービスは正常に続行されました。
自分が共有を設定している(ファイルなどを公開している)場合、クライアント側から使用されているファイルの一覧を出力します。
以下の例では c:\temp(ディレクトリ) 及び c:\temp\sharetest21.dat.txt(ファイル)が リモートより administrator
ユーザにより使用されていることが分かります。
C:\>net file ID パス ユーザー名 ロック数 ------------------------------------------------------------------------------- 74 c:\temp\ administrator 0 90 c:\temp\sharetest21.dat.txt administrator 0 コマンドは正常に終了しました。
ドメインコントローラ上のグループの設定を行います。(ドメインコントローラ以外で実行すると"このコマンドは Windows ドメイン
コントローラーでのみ使用できます。"というエラーが発生します。)
このコマンドより dsquery group の方が便利なようです。
以下はドメインコントローラでの実行例です。
C:\>net group \\SERVERNAME のグループ アカウント ------------------------------------------------------------ *Cloneable Domain Controllers *DnsUpdateProxy *Domain Admins *Domain Computers *Domain Controllers *Domain Guests *Domain Users *Enterprise Admins *Enterprise Read-only Domain Controllers *Group Policy Creator Owners *Read-only Domain Controllers *Schema Admins コマンドは正常に終了しました。
net コマンドのヘルプを表示します。以下の例では net config コマンドのヘルプを表示します。
C:\>net help config このコマンドの構文は次のとおりです: NET CONFIG [SERVER | WORKSTATION] NET CONFIG は、ワークステーション サービスまたはサーバー サービスの構成情報を 表示します。SERVER または WORKSTATION スイッチを使用しない場合は、構成可能な サービスの一覧が表示されます。サービスの構成方法についてのヘルプを表示する には「NET HELP CONFIG サービス」と入力します。 SERVER サーバー サービスの構成に関する情報が表示されます。 WORKSTATION ワークステーション サービスの構成に関する情報が表示されます。 「NET HELP コマンド | MORE」と入力すると、ヘルプが一度に 1 画面ずつ表示され ます。
エラー番号を指定してヘルプを表示します。
以下の例では 500 番のエラーメッセージを表示します。
C:\>net helpmsg 500 ユーザー プロファイルを読み込めません。
ローカルのグループが表示されます。以下は Windows 10 での実行例です。
C:\>net localgroup \\PCNAME のエイリアス ------------------------------------------------------------------------------- *Access Control Assistance Operators *Administrators *Backup Operators *Cryptographic Operators *Distributed COM Users *Event Log Readers *Guests *Hyper-V Administrators *IIS_IUSRS *Network Configuration Operators *ORA_DBA *Performance Log Users *Performance Monitor Users *Power Users *Remote Desktop Users *Remote Management Users *Replicator *System Managed Accounts Group *Users コマンドは正常に終了しました。
ドメインコントローラで実行した場合は「ドメインローカル」「グローバル」「ユニバーサル」の中で「ドメインローカル」のみ表示されました。
以下ドメインコントローラでの実行例です。
C:\>net localgroup \\SERVERNAME のエイリアス ------------------------------------------------------------------------------- *Access Control Assistance Operators *Account Operators *Administrators *Allowed RODC Password Replication Group *Backup Operators *Cert Publishers *Certificate Service DCOM Access *Cryptographic Operators *Denied RODC Password Replication Group *Distributed COM Users *DnsAdmins *Event Log Readers *Guests *Hyper-V Administrators *IIS_IUSRS *Incoming Forest Trust Builders *Network Configuration Operators *Performance Log Users *Performance Monitor Users *Pre-Windows 2000 Compatible Access *Print Operators *RAS and IAS Servers *RDS Endpoint Servers *RDS Management Servers *RDS Remote Access Servers *Remote Desktop Users *Remote Management Users *Replicator *Server Operators *Terminal Server License Servers *Users *Windows Authorization Access Group *WinRMRemoteWMIUsers__ コマンドは正常に終了しました。
サービスを一時停止します。ただし全てのサービスが一時停止可能は訳ではありません。一部のみです。(サービスが「一時停止」をサポートしている必要あます。)
ほとんどのサービスが「一時停止」機能をサポートしていません。例えば Workstation サービスはサポートしていますが、これは数少ない例です。
専門的に言うと、サービスが、サービスコントロールマネージャから 「SERVICE_CONTROL_PAUSE0x00000002」命令が来た場合にpause
する処理が実装されている場合に一時停止します。
C:\net pause workstation
Workstation サービスは正常に一時停止されました。
自分がServer サービスでリソース(ファイルなど)を公開している場合、リモートから接続されているセッションを表示します。
(*)ただし実験した結果、セッションは切断されませんでした。もしかしたら切断してもすぐに再接続しているのかもしれません。同じく管理ツールからセッションを閉じてもすぐに接続されるようです。
C:\>net session /list ユーザー名 user001
コンピューター *.*.*.*
ゲスト ログオン No
クライアント タイプ
アイドル時間 00:01:38
C:\>net session /delete
これらのワークステーションはサーバー上でセッションを持っています:
*.*.*.*
この操作を続行しますか? (Y/N) [Y]: y
自分が共有しているリソース(ファイルなど)の一覧を表示します。(要するにネットワーク上の他の機器に提供しているファイル共有やプリンタなど)
以下の例では共有しているリソースが表示されます。デフォルトのリソース以外に、 c:\share_data を "share_data$"として共有していることが分かります。
C:\>net share 共有名 リソース 注釈 ------------------------------------------------------------------------------- C$ C:\ Default share IPC$ Remote IPC share_data$ c:\share_data ADMIN$ C:\Windows Remote Admin NETLOGON C:\Windows\SYSVOL\sysvol\example.com\SCRIPTS Logon server share SYSVOL C:\Windows\SYSVOL\sysvol Logon server share コマンドは正常に終了しました。
起動しているサービスの一覧を表示します。 net start 以外に sc.exe というサービス制御コマンドが存在します。sc.exe の方が機能は豊富です。
以下はWindows 10で実行した結果、サービスの一覧が表示されています。
C:\>net start 次の Windows サービスが開始されています: Adobe Acrobat Update Service Background Intelligent Transfer Service Background Tasks Infrastructure Service Base Filtering Engine Bluetooth Support Service Certificate Propagation Client License Service (ClipSVC) CNG Key Isolation COM+ Event System COM+ System Application Computer Browser Connected User Experiences and Telemetry CoreMessaging Credential Manager Cryptographic Services DCOM Server Process Launcher Delivery Optimization DHCP Client Diagnostic Policy Service Diagnostic Service Host Distributed Link Tracking Client Distributed Transaction Coordinator DNS Client Group Policy Client IP Helper Local Session Manager Microsoft Account Sign-in Assistant Microsoft Passport Container Network Connection Broker Network List Service Network Location Awareness Network Store Interface Service OracleServiceXE Plug and Play Power Print Spooler Program Compatibility Assistant Service Remote Desktop Configuration Remote Desktop Services Remote Desktop Services UserMode Port Redirector Remote Procedure Call (RPC) RPC Endpoint Mapper Security Accounts Manager Sensor Monitoring Service Sensor Service Server Shell Hardware Detection Software Protection SSDP Discovery State Repository Service Superfetch System Event Notification Service System Events Broker Task Scheduler TCP/IP NetBIOS Helper Themes Tile Data model server Time Broker Update Orchestrator Service User Manager User Profile Service VMware Alias Manager and Ticket Service VMware Physical Disk Helper Service VMware Tools VMware スナップショット プロバイダ Volume Shadow Copy Windows Audio Windows Audio Endpoint Builder Windows Biometric Service Windows Connection Manager Windows Defender Network Inspection Service Windows Defender Service Windows Driver Foundation - User-mode Driver Framework Windows Event Log Windows Firewall Windows Font Cache Service Windows License Manager Service Windows Licensing Monitoring Service Windows Management Instrumentation Windows Search Windows Update WinHTTP Web Proxy Auto-Discovery Service WMI Performance Adapter Workstation コマンドは正常に終了しました。
統計情報を表示します。以下の二通りの統計情報の表示が可能です。
・net statistics Workstation
・net statistics Server
以下はWindows 10 での実行結果です。Server サービスの統計情報です。
C:\>net statistics server \\PCNAME のサーバー統計情報 統計情報の開始日時 2018/02/22 1:36:12 受け付けたセッション 1 タイムアウトしたセッション 0 エラーが発生したセッション 0 送信バイト数 (KB) 4 受信バイト数 (KB) 4 平均応答時間 (ミリ秒) 0 システム エラー 0 アクセス許可違反 0 パスワード違反 0 アクセスしたファイル 4 アクセスした COM デバイス 0 スプールした印刷ジョブ 0 バッファーのオーバーフロー回数 ビッグ バッファー 0 リクエスト バッファー 0 コマンドは正常に終了しました。
以下はWindows 10 での実行結果です。Workstation サービスの統計情報です。
C:\>net statistics workstation \\PCNAME のワークステーション統計情報 統計情報の開始日時 2018/02/22 1:36:10 受信バイト数 4116 受信サーバー メッセージ ブロック (SMB) 数 10 送信バイト数 3721 送信サーバー メッセージ ブロック (SMB) 数 0 読み取り操作 0 書き込み操作 0 拒否された Raw 読み取り 0 拒否された Raw 書き込み 0 ネットワーク エラー 0 接続に成功した回数 0 再接続に成功した回数 0 サーバーから切断された回数 0 開始セッション数 0 ハングしたセッション数 0 異常終了したセッション数 0 異常終了した操作回数 0 使用回数 2 失敗した使用回数 0 コマンドは正常に終了しました。
これらのサービスが稼働しているかは以下のコマンドで確認が可能です。
C:\>net start | findstr Workstation Workstation C:\>net start | findstr Server Server
実行中のサービスを停止します。 技術的にはサービスはサービスコントロールマネージャーから「SERVICE_CONTROL_STOP0x00000001」を受け取ります。
以下の例では "Windows Search" サービスを停止しています。
C:\>net stop "Windows Search" Windows Search サービスを停止中です. Windows Search サービスは正常に停止されました。
以下の例では "themes" サービスを停止しています。
C:\>net stop themes Themes サービスを停止中です. Themes サービスは正常に停止されました。
時刻同期先のサーバ、及び現在の時刻を表示します。Active Directory 環境のドメインコントローラと同期しているはずです。
以下はAD環境で実行した結果です。ドメイン内のサーバと同期していることが分かります。
C:\>net time \\servername.example.com の現在の時刻は 2018/02/22 2:03:34 です コマンドは正常に終了しました。
以下のような機能があります。
・使用している共有(リソース)の一覧を表示します。(自分が接続しているネットワーク上の共有の一覧の表示です。)
・共有に接続します(エクスプローラなどから起動できない場合やバッチで行いたい場合など便利です。)
以下の例では 192.168.1.1 の 共有(リソース)である temp に Z ドライブで接続しています。
C:\>net use 新しい接続は記憶されます。 ステータス ローカル名 リモート名 ネットワーク名 ------------------------------------------------------------------------------- OK Z: \\10.0.0.1\temp Microsoft Windows Network コマンドは正常に終了しました。
ローカルのユーザを表示したり設定を行います。ドメインコントローラで実行した場合はドメインユーザの一覧が表示されます。
以下はWindows 10 での実行例です。ローカルPC のアカウントが表示されています。
C:\>net user \\MYPCNAME のユーザー アカウント ------------------------------------------------------------------------------- DefaultAccount defaultuser0 Guest username WDAGUtilityAccount コマンドは正常に終了しました。
(参考) WDAGUtilityAccountとは
以下の例では test002 ユーザを無効化しています。
C:\net user test002 /active:NO
コマンドのヘルプは以下の通りです。様々な機能が実装されています。
C:\>net user /? このコマンドの構文は次のとおりです: NET USER [ユーザー名 [パスワード | *] [オプション]] [/DOMAIN] ユーザー名 {パスワード | *} /ADD [オプション] [/DOMAIN] ユーザー名 [/DELETE] [/DOMAIN] ユーザー名 [/TIMES:{時間 | ALL}] ユーザー名 [/ACTIVE: {YES | NO}]
net view コマンドではワークグループの場合はワークグループ上の機器の一覧が表示されます。
表示されるには以下の情報が必要です。
・Server サービスが起動されていること
・ネットワーク上のどこかのPCで"Computer Browser"サービスが動作していること。動作していないと "このワークグループのサーバー一覧を現在、利用できません。"
というエラー表示されます。
ドメインコントローラ上で実行するとドメイン上のサーバ一覧が表示されます。
net view で IPアドレスあるいはホスト名を指定するとそのサーバの共有(リソース)が表示されます。
以下は\10.0.0.1のリソースを表示しています。
C:\>net view \\10.0.0.1 \\10.0.0.1 の共有リソース 共有名 タイプ 使用 コメント ------------------------------------------------------------------------------- NETLOGON Disk Logon server share SYSVOL Disk Logon server share コマンドは正常に終了しました。
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