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作成日:2021/07/21
更新日:2021/07/21
対象:Windows 10

robocopy でファイルがスキップされる原因と対処




【目次】


robocopy コマンドでスキップされる


robocopy コマンドを実行した場合、結果の出力である"スキップ"が0の値意外の場合があるようです。この場合コピーや移動がされなかったファイルがあるということです。
試しに空のフォルダ(c:\temp\10)ともう一つの空フォルダ(c:\temp\11)にコピーするコマンドを実行してみました。

次の通り、空のフォルダから空のフォルダへの同期でも"スキップ"が1件となってしまいます。
おそらくトップフォルダがスキップされたということではないでしょうか。どのような場合でもスキップされるようなので個人的には気にしないようにしています。


C:\>robocopy /mir c:\temp\10 c:\temp\11

-------------------------------------------------------------------------------
ROBOCOPY :: Windows の堅牢性の高いファイル コピー
-------------------------------------------------------------------------------

開始: 2021年7月21日 11:06:31
コピー元 : c:\temp\10\
コピー先 : c:\temp\11\

ファイル: *.*

オプション: *.* /S /E /DCOPY:DA /COPY:DAT /PURGE /MIR /R:1000000 /W:30

------------------------------------------------------------------------------

0 c:\temp\10\

------------------------------------------------------------------------------

合計 コピー済み スキップ 不一致 失敗 Extras
ディレクトリ: 1 0 1 0 0 0
ファイル: 0 0 0 0 0 0
バイト: 0 0 0 0 0 0
時刻: 0:00:00 0:00:00 0:00:00 0:00:00
終了: 2021年7月21日 11:06:31


空のフォルダの処理


同期あるいは移動コマンドを実行する場合、空のフォルダの処理でこのスキップが発生する場合があります。
コマンドを実行する場合は空のフォルダの処理を明確に定義するとよいでしょう。


/S :: サブディレクトリをコピーしますが、空のディレクトリはコピーしません。
/E :: 空のディレクトリを含むサブディレクトリをコピーします。



これで空のフォルダの処理が明確になるためスキップされないのではないでしょうか。


同一ファイル


同期する場合、コピー元とコピー先が同じファイルと判断された場合はコピーされないようです。
同一はデフォルトで以下の条件で判断されるようです。特にファイルの中身を比較(コンペア)している訳ではなさそうです。

・タイムスタンプ
・ファイルサイズ

失敗したファイル


実際に同期に失敗した場合は"スキップ"ではなく"エラー"に追加されるようです。

次の例はrobocopy実行アカウントに関して一部のファイルへのアクセス権がないためにコマンドが失敗した場合の事例です。


C:\>robocopy /mir c:\temp\10 c:\temp\11

-------------------------------------------------------------------------------
ROBOCOPY :: Windows の堅牢性の高いファイル コピー
-------------------------------------------------------------------------------

開始: 2021年7月21日 11:03:59
コピー元 : c:\temp\10\
コピー先 : c:\temp\11\

ファイル: *.*

オプション: *.* /S /E /DCOPY:DA /COPY:DAT /PURGE /MIR /R:1000000 /W:30

------------------------------------------------------------------------------

1 c:\temp\10\
新しいファイル 0 新しいテキスト ドキュメント.txt
2021/07/21 11:03:59 エラー 2 (0x00000002) ファイル属性を変更しています c:\temp\10\新しいテキスト ドキュメント.txt
指定されたファイルが見つかりません。


------------------------------------------------------------------------------

合計 コピー済み スキップ 不一致 失敗 Extras
ディレクトリ: 1 0 1 0 0 0
ファイル: 1 0 0 0 1 0
バイト: 0 0 0 0 0 0
時刻: 0:00:00 0:00:00 0:00:00 0:00:00
終了: 2021年7月21日 11:03:59



robocopyのオプション


robocopyコマンドのオプションは次のとおりです。

/S :: サブディレクトリをコピーしますが、空のディレクトリはコピ
ーしません。
/E :: 空のディレクトリを含むサブディレクトリをコピーします。
/LEV:n :: コピー元ディレクトリ ツリーの上位 n レベルのみをコピーし
ます。

/Z :: 再起動可能モードでファイルをコピーします。
/B :: バックアップ モードでファイルをコピーします。
/ZB :: 再起動可能モードを使用します。アクセスが拒否された場合、
バックアップ モードを使用します。
/J :: バッファーなし I/O を使用してコピーします (大きなファイル
で推奨)。
/EFSRAW :: 暗号化されたすべてのファイルを EFS RAW モードでコピーし
ます。

/COPY:コピーフラグ :: ファイルにコピーする情報 (既定値は /COPY:DAT)。
(copyflags : D=データ、A=属性、T=タイムスタンプ、X=代替データ ストリームをスキップ)。
(S= セキュリティ =NTFS ACL、O= 所有者情報、U= 監査情報)。


/SEC :: セキュリティと共にファイルをコピーします (/COPY:DATS と
同等)。
/COPYALL :: ファイル情報をすべてコピーします (/COPY:DATSOU と同等)。
/NOCOPY :: ファイル情報をコピーしません (/PURGE と共に使用すると便
利)。
/SECFIX :: スキップしたファイルも含むすべてのファイルのファイル セ
キュリティを修正します。
/TIMFIX :: スキップしたファイルも含むすべてのファイルのファイル時刻
を修正します。

/PURGE :: 既にコピー元に存在しないコピー先のファイル/ディレクトリ
を削除します。
/MIR :: ディレクトリ ツリーをミラー化します (/E および /PURGE と
同等)。

/MOV :: ファイルを移動します (コピー後にコピー元から削除)。
/MOVE :: ファイルとディレクトリを移動します (コピー後にコピー元か
ら削除)。

/A+:[RASHCNET] :: コピーされたファイルに指定の属性を追加します。
/A-:[RASHCNET] :: コピーされたファイルから指定の属性を削除します。

/CREATE :: ディレクトリ ツリーと長さ 0 のファイルのみを作成します。
/FAT :: 8.3 FAT ファイル名のみを使用してコピー先ファイルを作成し
ます。
/256 :: 256 文字を超える非常に長いパスのサポートをオフにします。

/MON:n :: コピー元を監視し、n 回を超える変更があった場合に再度実行
します。
/MOT:m :: コピー元を監視し、m 分後に変更があった場合に再度実行
します。

/RH:hhmm-hhmm :: 実行時間 - 新しいコピーを開始できる時刻です。
/PF :: 実行時間をファイルごと (パスごとではない) に確認します。

/IPG:n :: 低速回線で帯域幅を解放するためのパケット間ギャップ (ミリ
秒)。

/SJ :: 接合のターゲットとしてではなく接合として Junctions をコピーします。
/SL:: リンクのターゲットとしてではなくリンクとしてシンボリック リンクをコピーします。

/MT[:n] :: n 個のスレッドのマルチスレッド コピーを実行します (既定値 8)。
n は 1 から 128 までの値である必要があります。
このオプションは、/IPG および /EFSRAW オプションと互換性がありません。
パフォーマンス向上のため、/LOG オプションを使用して出力をリダイレクトします。

/DCOPY:コピーフラグ :: ディレクトリにコピーする情報 (既定値は /DCOPY:DA)。
(copyflags : D=データ、A=属性、T=タイムスタンプ、E=EA、X=代替データ ストリームをスキップ)。

/NODCOPY :: ディレクトリ情報をコピーしません (既定では /DCOPY:DA が実行されます)。

/NOOFFLOAD :: Windows のオフロードをコピーするメカニズムを使用せずに、
ファイルをコピーします。

/COMPRESS :: ファイル転送中にネットワーク圧縮を要求します (適用可能な場合)。

::
:: ファイル選択オプション:
::
/A :: アーカイブ属性が設定されているファイルのみをコピーしま
す。
/M :: アーカイブ属性のあるファイルのみをコピーし、リセットしま
す。
/IA:[RASHCNETO] :: 指定されたいずれかの属性が設定されているファイルのみを含
みます。
/XA:[RASHCNETO] :: 指定されたいずれかの属性が設定されているファイルを除外し
ます。

/XF file [ファイル]... ::
指定された名前/パス/ワイルドカードに一致するファイルを
除外します。
/XD dir [ディレクトリ]... ::
指定された名前/パスに一致するディレクトリを除外します。

/XC :: 変更されたファイルを除外します。
/XN :: 新しいファイルを除外します。
/XO :: 古いファイルを除外します。
/XX :: コピー先にだけ存在するファイルとディレクトリを除外し
ます。
/XL :: コピー元にだけ存在するファイルとディレクトリを除外し
ます。
/IS :: 同一ファイルを含みます。
/IT :: 異常なファイルを含めます。

/MAX:n :: 最大ファイル サイズ - n バイトより大きいファイルを除外し
ます。
/MIN:n :: 最小ファイル サイズ - n バイトより小さいファイルを除外し
ます。

/MAXAGE:n :: 最長ファイル有効期間 - n 日より古いファイルを除外します。
/MINAGE:n :: 最短ファイル有効期間 - n 日より新しいファイルを除外しま
す。
/MAXLAD:n :: 最大最終アクセス日 - n で指定する値以後に使用していない
ファイルを除外します。
/MINLAD:n :: 最小最終アクセス日 - n で指定する値以後に使用されたファ
イルを除外します。
(n < 1900 の場合、n = n 日です。それ以外は、n = YYYYMMDD
の日付です)。

/FFT :: FAT ファイル時間 (2 秒の粒度) を想定します。
/DST :: 1 時間の DST 時間差を補正します。

/XJ:: シンボリック リンク (ファイルとディレクトリの両方) と接合ポイントを除外します。
/XJD:: ディレクトリのシンボリック リンクと接合ポイントを除外します。
/XJF :: ファイルのシンボリック リンクを除外します。

/IM :: 変更されたファイルを含めます (変更日時が異なる)。
::
:: 再試行オプション:
::
/R:n :: 失敗したコピーに対する再試行数: 既定値は 1,000,000。
/W:n :: 再試行と再試行の間の待機時間: 既定値は、30 秒です。

/REG :: /既定の設定としてレジストリに R:n と /W:n を保存します。

/TBD :: 共有名が定義されるのを待ちます (再試行エラー 67)。

/LFSM :: 空き領域不足モードで動作し、コピーの一時停止と再開を有効にします (「注釈」を参照)。

/LFSM:n[KMG] :: 下限サイズを n [K:kilo,M:mega,G:giga] バイトで指定した /LFSM。

::
:: ログ オプション:
::
/L :: リストのみ - いずれのファイルにも、コピー、タイムスタン
プの追加、または削除を実施しません。
/X :: 選択されたファイルのみではなく、余分なファイルをすべて報
告します。
/V :: スキップされたファイルを示す詳細出力を作成します。
/TS :: 出力にコピー元ファイルのタイム スタンプを含めます。
/FP :: 出力にファイルの完全なパス名を含めます。
/BYTES :: サイズをバイトで出力します。

/NS :: サイズなし - ファイル サイズをログに記録しません。
/NC :: クラスなし - ファイル クラスをログに記録しません。
/NFL :: ファイル リストなし - ファイル名をログに記録しません。
/NDL :: ディレクトリなし - ディレクトリ名をログに記録しません。

/NP :: 進行状況なし - コピーの完了率を表示しません。
/ETA :: コピーするファイルの推定完了時刻を表示します。

/LOG:ファイル :: ログ ファイルに状態を出力します (既存のログを上書きしま
す)。
/LOG+:ファイル :: ログ ファイルに状態を出力します (既存のログ ファイルに
追加します)。

/UNILOG:ファイル :: ログ ファイルに UNICODE で状態を出力します (既存のログを
上書きします)。
/UNILOG+:ファイル :: ログ ファイルに UNICODE で状態を出力します (既存のログに
追加します)。

/TEE :: コンソール ウィンドウとログ ファイルに出力します。

/NJH :: ジョブ ヘッダーがありません。
/NJS :: ジョブ要約がありません。

/UNICODE :: 状態を UNICODE で出力します。

::
:: ジョブ オプション:
::
/JOB:ジョブ名 :: 名前の付いたジョブ ファイルからパラメーターを取得します。
/SAVE:ジョブ名 :: 名前の付いたジョブ ファイルにパラメーターを保存します。
/QUIT :: コマンド ラインの処理後に終了します (パラメーターの表示の
ため)。
/NOSD :: コピー元ディレクトリを指定しません。
/NODD :: コピー先ディレクトリを指定しません。
/IF :: 後続のファイルを含みます。






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