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作成日:2019/09/02
更新日:2022/03/11
対象:Windows 10

Windows 移動プロファイル作成時の注意点




【目次】


移動プロファイルとは


移動プロファイルとはWindowsのユーザプロファイルをサーバなどに保存して、ユーザがどのPCにログインしても使用できる機能のことです。

通常のプロファイルの問題点


プロファイルの問題点は以下のとおりです。

・通常はプロファイルは各PCに保存される。(c:\users以下)
・しかしそのPCを使う時しか使えない。他のPCでログインしたときは使用できない。


移動プロファイルによる解決


移動プロファイルではサーバ(共有フォルダ)にプロファイルを保管します。

・ログオン時に毎回c:\Usersにダウンロードする。
・ログオフ時に共有フォルダにアップロードする。

(*)サーバ、ローカル両方にファイルが存在することになります。どちらかがマスタになるということです。
ローカルはサーバに接続できない場合のキャッシュとしても使用されます。ポリシー設定によりローカルに残さない方法も可能です。


設定詳細



以下のアクセス権を設定します。

・Everyone = フル
・Users = 書き込み
・administrators = フル

プロファイルに \\<サーバ名あるいはIPアドレス>\<共有名>\%username% を設定します。
%username%は自動でユーザ名に変換されます。次に開いたら自動的にユーザ名に変更されていました。(user001など)

フォルダ作成


共有ディレクトリにユーザ名のフォルダを事前に作成する必要はありません。フォルダは自動で作成してくれるようです。実験結果は以下の通りです。

Windows Server 2008用は<ユーザ名>.v2
Windows 10用は <ユーザ名>.v5
Windows Server 2016用は <ユーザ名>.v6


プロファイルの互換性


互換性は以下のとおりです。

・Windows 8.1 および Windows Server 2012 R2
・Windows 8 およびWindows Server 2012
・Windows 7 および Windows Server 2008 R2
・Windows Vista および Windows Server 2008

この場合、ログインするOSが異なるとデスクトップなど使えるドキュメントが変わってしまいます。
これを避けるためには「フォルダリダイレクト」を使用します。「マイドキュメント」などのフォルダをリダイレクトする機能です。

巨大なファイルの移動を避ける


デスクトップに巨大なファイルがある場合はログオン、ログオフのたびにコピーされます。
ネットワークに負荷がかかる、ログオンログオフに時間がかかるなどの問題が発生します。

これを避けるため「フォルダリダイレクト」機能があります。指定したフォルダ”デスクトップなど”を共有フォルダにマッピングしてしまう機能です。グループポリシーで設定が可能です。


共有フォルダのアクセス件


共有のアクセス件ではなく、フォルダそのもののアクセス件は Windowsがフォルダを作成するときに自動的に付けるので考慮不要と思われます。


Windows 2008/Windows 7と Windows 10や Windows Server 2016の移動プロファイルの互換性


例えばファイルサーバに Windows 2008用の移動プロファイルを保存していたとします。
その後 Windows 10 からこのファイルサーバのプロファイルを使用しようとしたところ使用できずに ユーザ名.v5 やユーザ名.v6のようなプロファイルが作成されてしまいました。

これはプロファイルは互換性がないため、自動で新規にプロファイルが作成されたのが原因と思われます。


参考:以前のバージョンの Windows の移動ユーザー プロファイルは Windows 10、Windows Server バージョン 1709、および Windows Server 2016 と互換性がない
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/3056198/roaming-user-profiles-versioning-in-windows-10-and-windows-server


フォルダがc:\Users\Temp となる


プロファイルが名が"Temp"になる場合があります。
移動プロファイルを作成したが、何らかの理由で共有フォルダ上からプロファイルをダウンロードできない場合に本現象となりました。このときは共有フォルダにアクセス件が足りないのが原因でした。


その他にも"プロファイルが破損してしまった",手動でプロファイルを削除したなどが該当するようです。
これらの場合はプロファイルの再作成が必要なようです。

参考:ユーザー プロファイル サービスによるログオンの処理に失敗しました" エラー メッセージが表示される
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/947215/you-receive-a-the-user-profile-service-failed-the-logon-error-message

オフラインフォルダ


移動プロファイルを使用する場合、サーバに接続できない環境だとサーバに保管したファイルが使用できません。
そのような場合はオフラインフォルダ機能を使用します。キャッシュ機能であり、サーバ接続時に同期されます。






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