Redhat Enterprise Linux 5 のシステムフルバックアップの方法を説明します。
システムフルバックアップを取得するには、ルートフォルダ (/) などが未使用である必要があります。(バックアップ中にファイルが変更されると不整合が発生するため)
よってレスキューモードで起動(DVD内のモジュールを使用して起動) し、ハードディスク上のパーティションをバックアップします。
前提として NFS (Network File System) サーバが必要です。NFSサーバに対してネットワーク経由でバックアップを取得します。NFS
サーバは Windows Server 2008 R2 の標準機能で構築が可能です。
参考:Windows Server 2008 R2 を NFS サーバに
(1)Redhat Enterprise Linux DVD を使用して コンピュータを起動します。
(2)インストールオプションの選択では linux rescue と入力して [enter] を実行します。
(3)「English」を選択します。
(4)キーボードのタイプは「jp106(日本語106)」を選択します。
(5)ネットワークのセットアップを行います。バックアップ先は NFS サーバのためネットワークの設定は必須です。[Yes] を選択します。
(6)eth0 の設定を行うため [Yes] を選択します。
(7)ここではIPv4 の設定を行います。
(8)IP アドレスを手動で設定する場合は 「Manual address configuration」 を選択します。DHCP サーバから IPアドレスを取得する場合は 「Dynamic IP configuration (DHCP)」 を選択します。
(9)Gateway のIPアドレス、Primary DNS のIPアドレス、Secondary DNS のIPアドレス を入力します。
NFS サーバが同一ネットワークアドレスに存在する場合は Gateway アドレスの入力は不要です。DNSを使用しない場合にはPrimary DNS のIPアドレス、Secondary DNS の入力は不要です。
Gateway IP アドレスが未入力の場合は以下のエラーが出力されます。[Continue] で継続します。
(10)インストール済みの Linux パーティションをマウントするか確認しています。今回はマウントが不要なため [Skip] を選択します。
(11)以上でシェルが起動します。レスキューモードの起動は完了です。
(12)NFS サーバに接続するため、portmapper サービスを起動します。
# /usr/sbin/portmap start |
(13)LVM の状態を確認
# lvm vgscan Reading all physical volumes. This may take a while... Found volume group "VolGroup00" using metadata type lvm2 |
(14)LVM をactiveに変更
# lvm vgchange -a y VolGroup00 2 logical volume(s) in volume group "VolGroup00" now active |
(15)LVM 情報を確認 (リストア時に使用するため、LV UUID の値を保管しておきます)
# lvm lvdisplay |
(16)NFS サーバに対してマウントを実行します。
mount –t nfs <nfsサーバのipアドレス>:/<nfs サーバのマウントポイント> <ローカルのマウントポイント>
例:以下の例では 10.0.0.1 のNFS サーバのマウントポイント /nfsroot にマウントポイントが /nfsbackup でマウントしています。
# mount –t nfs 10.0.0.1:/nfsroot /nfsbackup |
(17)パーティションのダンプ を実行します。以下の例では出力ファイル名はVol00.dmp です。
# dump -b32 -f /nfsbackup/Vol00.dmp /dev/VolGroup00/LogVol00 |
(18)boot パーティションを dump します。以下の例では出力ファイル名はboot.dmp です。
# dump -b32 -f /nfsbackup/boot.dmp /dev/sda1 |
(swap パーティションは dump 不要)
[Linux システムのフルバックアップとリストア] → [2.システムフルバックアップ (Redhat Enterprise Linux 5)]